雨の飛鳥で森林浴

道の途中にあるクスノキ。落ちていた枝の香りをかいでみました

先日のこと。飛鳥に在住の森林浴ファシリテーターのNさんと台湾からのゲストをご案内してきました。場所は明日香村の甘樫丘。その昔蘇我蝦夷・入鹿父子が居を構えていたと言われている長い歴史の物語が眠る場所でもあります。
今は国営公園として管理されていて、遊歩道もあり、歩きやすく手軽に森林浴を楽しめます。

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雨に濡れる木々もまた趣があります

当日はあいにくの雨模様。気温もぐっと下がって、10度にも届かず寒い朝でしたが、ゲストにはカッパと貼るカイロ(観光協会の方が用意してくださいました)をお渡しして、内容も変更して決行。

集合場所に使った東屋のすぐ目の前に赤くしっかりと色づいたモミジの木があって、到着後にさっそくそちらで写真撮影をはじめる方も。台湾にもモミジはあるけれど、少し標高の高いところに行かないと見られないので、わたしたちのようにどこにでもある馴染みの木、というのとは事情が異なるようでした。

雨に濡れてしっとりとした木々は、それはそれで趣のあるもの。雨の音には鎮静効果もあり、気持ちも落ち着きます。
今回は公園内にクスノキや杉やヒノキ、そしてカツラの木もあったので”香り”を中心にしたプログラムに。
カツラの木の香り、わたしたちはよくキャラメルに似た甘い香り、と表現しますが、台湾の方は「お醤油のにおいがする!」と。台湾で使う甘いお醤油の香りだそうです。なるほど、面白い発見でした。

カツラの広場にはどんぐりもたくさん
下見に行った日はよく晴れて甘い香りが満ちていました

色々な木々を味わいつつ、ゆっくりと道を上って展望台まで歩きます。その頃には雨も止んで晴れ間がのぞく時間も。飛鳥の美しい風景を楽しみました。

飛鳥の美しい風景、日本のはじまりと言われるところ
まだまだ青いモミジと青空

その後、東屋に戻ってきて、あたたかいほうじ茶と抹茶のカステラでほっと一息ついたところで落ち葉を使った簡単なクラフトの時間。
草花あそび研究所所長のinoriさんという、SNSで植物を使った色んな作品を紹介されている方がいて、桜の落ち葉で作るスズメを紹介されていました。Nさんが見つけて提案してくれて、やってみよう!と当日までに練習を重ね、うまくいくかなとドキドキしつつやってみました。
ゲストの方たちの前向きに楽しもうとする姿勢に助けられた部分が大きいように感じますが、みんなでワイワイと楽しいひとときになりました。
普段、きれいな紅葉を見ることはあっても、手で触れて動かして何かを作ることってあまりないのかなと思うので、いい機会になったのではと思います。

できたスズメを写真撮影


全てのプログラムを終了し、その後また他の場所へと移動されるということで、バスを見送りました。日本滞在の良き思い出になっていたらうれしいです。
ゲストのみなさん、Nさん、観光協会のYさん、ありがとうございました。
余談だけど、Nさんは中国語でみなさんと会話されていて、ずっと学んでこられたことを発揮されていてすごいなーと感心しました。

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わたしはその後、前から行ってみたかった飛鳥駅近くのカフェでおいしいランチを食べ、ホットレモネードを飲み、ほっと一息つき、道の駅で新鮮なお野菜を買って帰宅。その頃にはまた強い雨が降り出して、雷まで鳴って、午前中はお天気に恵まれたのだな~としみじみ大きな何かに感謝しました。
本当に寒い日で、気持ちひとつでかんたんにネガティブになるような状況も、それでも森にはたのしめることがたくさんある、そしてきっと日常でもそうなのだよなと、改めてそんなことを思いました。

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